1991/11/7(木)
ブラジルにユバ農場という農場があるのをご存じだろうか?サンパウロから600キロ離れたその農場は一種の原始共産主義のもと、26家族、約80人の日系人が暮らす共同農場だ。農業の傍ら芸術活動を行っていることでブラジル日系社会では有名なところ。演劇、音楽、絵画、特にバレエは2度の日本公演も果たしたほど力を入れていている。
ユバ農場は「祈ること、耕すこと、芸術すること」を理念とし、農場員を拘束する規約はいっさい作らなかったと言う。入りたい者は誰でも入れたし、出て行きたい者を止めることもしなかった。いかなる理由からであれ、働かないことを咎められることもなかった。現代日本の価値観からするときわめて非現実的な集団と思われるだろうが、この農場が激動期のブラジルで六十七年間を生き抜き、すでに三世の時代に移りながらもユバ・バレエが多くのブラジル人に愛されていることは否定しようのない事実である。芸術による人格の解放が農を支えているのである。
私の他にバックパッカーが4人集まっている。ふらっと訪ねても快く受け入れてくれて食事と寝場所を提供してくれる。長旅の疲れを癒すにはもってこいの場所だ。そのかわり農場の仕事を手伝うことになっているけれど、みな居心地の良さについつい長居をしてしまう。
朝5時に起床、農作業服に着替え、麦わら帽子をかぶり、トラクターの荷台に乗り、果樹園に出発。6時頃から果樹園でグイアバを摘む。ブラジルの昼は暑い、朝の涼しい時間帯に仕事をするのがブラジル流のようだ。農場にいる子供たちも朝6時に登校し、午前中で授業は終わると言う。
朝食は摘みたてのグイアバだ。10時に摘み終え農場で仕分けをする。正午までに作業を終え昼食。大広間でここに住む多くの人が集まり、一緒に食事をする。
午後は自由時間。何をしてもいいのだが、近くの町まで車が必要な、何もないところだ。私は主にこの農場にある図書館の漫画を読んで時間を費やした。芸術に力を入れているユバ農場だけあって「ガラスの仮面」が全巻揃っている。
午後6時頃夕食、大広間で昼食の時のようにみなが集まって食事をする。風呂もここに住む人たちと一緒に入る。「どこから来た?」と親しく話しかけてくれる。とても居心地がいい。いいところだ。
週末になるとここに住む青年たちと飲みに行く。現地のブラジル人も集まる小さな飲み屋でシルベージャ(ビール)を飲み、楽しい時間を過ごす。
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売りの逆指値が約定した。SLを956円に置く。大きな流れは依然下降だと思っている。8/20から2か月上昇したので上昇もここまでか、再び売り戦略に変更した。