インドネシア独立とウルトラマン(6)

インドネシア4日目

今日はインドネシアのムルデカ広場にある、独立記念塔に登った。

インドネシアの独立で一番に思いつくのが、「ムルデカ17805」という映画だろう。インドネシア独立戦争に関わった、日本兵を描いている映画だ。

しかし私がインドネシア独立で思いつくのは、日本の特撮映画、円谷プロダクションの「ウルトラマン」だ。

あのウルトラマンのモデルは、インドネシアに駐留していた日本帝国陸軍だそうだ。

大東亜戦争の敗戦後、インドネシア独立のために、日本に帰る選択肢がありながらも、現地に留まって、命を懸けて戦った日本陸軍の兵士たちが、ウルトラマンのモデルだというのだ。

インドネシアを占拠していた日本が負ければ、今まで植民地支配していたオランダ(イギリスも参戦)が武器を携えて必ず帰ってくる。

彼らが戻ってくれば、インドネシアの人たちは、以前の植民地の生活に逆戻りとなる。

ウルトラマンで言うところの怪獣や侵略宇宙人がオランダやイギリスだろう。

科学特捜隊がスカルノやモハメッド・ハッタを中心にしたインドネシア軍だろうか。

ウルトラマンが地球に留まり、命がけで怪獣と戦ったのは自らの不注意でハヤタ隊員の命を奪ってしまったがためだった。

日本陸軍の兵士たちが、何の目的で現地に留まったかは、さだかではない。

兵士たち、それぞれにいろいろな思いがあり留まったのだろう。

しかし、彼ら兵士たちが、命を賭して戦い、その行動がインドネシア独立に大いに貢献したというのは、まぎれもない事実だ。

ウルトラマンの最終回は、宇宙恐竜ゼットンにウルトラマンは倒されるものの、科学特捜隊がそのゼットンを倒してしまう。

これは科学特捜隊(地球人)が、ウルトラマンを上回ったことを意味する。

もう自分が地球にいなくても、地球人の力で自らの星を守ることができると判断したウルトラマンは、2つの命をもってやってきたウルトラマンゾフィーと共に、生まれ故郷のM78星雲に帰っていくのだった。(2つの命のうち、1つの命はハヤタ隊員に、もう1つはウルトラマンに。)

インドネシアのために命を捧げた者、独立を見届け、今度は日本の復興のために生きた者、そんな人たちがウルトラマンだったのだ。

その後ウルトラマンシリーズはだんだん面白くなくなる。

いつのまにかウルトラマンのモデルが帝国陸軍から日本駐留アメリカ軍に替わり、科学特捜隊がインドネシア軍から自衛隊に替わってしまったからだと思う。

最近のウルトラマンは何をモデルに作られているのか、さっぱりわからない。

偽ウルトラマンが、いつのまにか正義の味方になっていたのには、さすがに笑った。

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