深夜特急

久しぶりに深夜特急を観た。

小説「深夜特急」のドラマ化だ。著者である沢木耕太郎を演じる大沢たかおが、1996~98年の香港、タイ、マレーシア、インド、パキスタン、イラン、トルコ、イタリア、イギリスをバックパッカーとして旅する 。今から20年も前のドラマだ。

昔放送していたものをVHSに録画し、それをDVDに焼き付けておいたのを思い出し、観たのだ。

このドラマを初めて観たのは2001年くらいだったろうか?

当時31歳、仕事をし、結婚をし、長女が生まれた頃だ。「このドラマのような放浪の旅に再び出られるのは、いつのことだろうか。」と放浪していた時を懐かしく思いながら観ていたのを思い出す。

あれから18年が経った。 子供たちは手がかからなくなりつつあり、子供たちの教育費の目処もおおよそ立ってきた。家の借金もない。

これからは、なるべく貯蓄を崩さずに、適度に仕事をし収入を得ながら、またあの若いころのような放浪の旅ができるかもしれない。いや、できる。

そんな思いで観ていた。

「深夜特急」という題名は、「かつてトルコで収監された外国人が脱走することをミッドナイト・エクスプレス(深夜特急)に乗る」と言ったからだというテロップがうってあった。

つまり、深夜特急とは「刑務所からの脱走」、「束縛からの解放」、「自由」、を意味するようだ。

作者はさらに、この作品の中で、「日本での常識が、外国では常識ではない」といことを伝えたかったのではないかと思っている。

つまり「捉われた考え方からの解放」、「考え方の自由」ということも、この「深夜特急」という題名に込められているのではないかと思うのだ。

ちなみに、ずっと前の話になるが、まだこの「深夜特急」というドラマを観る前に、「ミッドナイト・エクスプレス」というアメリカの映画を観たことがある。

この映画は1975年に作られ、 脚本を手がけたのはオリバー・ストーン。彼はこの映画でアカデミー脚本賞を受賞するなどハリウッドでも高く評価され、世界的に大ヒットしたようだ。

たぶんだが、沢木耕太郎氏もこの映画に、何かしらのインスパイヤを受けたのではないかと思う。

主人公は実在の人物で原作者でもあるビル・ヘイズ。彼はトルコから麻薬を持ち出そうとしたところを警察に逮捕される。この当時はまだ、アメリカとトルコの間には犯罪者に関する引渡しの条約がなかったため、彼はトルコ国内の法律に従って裁かれることとなる。

しかし、その刑はアメリカでは考えられない厳しいもので、留置所の環境も劣悪なものだった。(当初の刑期は4年)その上、彼はアメリカ人であることもあり刑務所内で虐待を受けることになる。このままでは殺される。そう考えた彼は命がけの脱走を決行するが、失敗。刑期はさらに延びることとなる。最終的に彼は脱走に成功し、自由を手にするのだが、観ていてトルコに行くのが怖くなったのを覚えている。

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