歩く銀杏(2)は記事が長いので、前半と後半に分けさせていただきました。
<引用ここから>
第1章 利益を得る2つの相場のやり方-----その基本型
ゆっくりと着実に、時には失敗しながらも、たとえどんな相場つきであろうともそれなりの利益を上げて生き残っていくための相場のやり方には、私には2つの方法しか思い浮かびません。
ただし今は、デイトレードというものがあり、昔は日ばかり商いといって1回の取引に4%近い利を抜かなければ成り立たなかったため、日ばかりの損は、証券会社の手数料と一致するなどといわれ、とても問題外だったのですが、今は状況も多少変化してきているので、あるいは3番目に入れてよいのかもしれません。
が何分私にはまったくの別世界のことであり、知識も経験もありませんので、ここでは一応 除かせていただきます。
以下、その2つの方法の基本の形を解説させていただきますが、実際にはこの基本型をそのまま行っている人はほとんどいません。
しかし皆、あくまでもこの基本型を原点とし、それに自分流のやり方をアレンジし、また様々に組み合わせたりして、使っていると思われます。
この基本型は数十年の歴史の試練を経てすでに充分検証確立されたものであり、これを 自己流にアレンジしても、決して一人よがりの自己満足に陥る危険性が無いのです。
歴史というものは、繰り返す部分と、繰り返さない部分とがあります。 事件や出来事は繰り返さず、常に新しい様相を帯びていますが、その事件出来事に反応 する人々の心は繰り返されます。
不況の原因や影響は様々ですが、その不況に対応する人々の心理は、いつも同じです。
相場は、人々の心理に依拠するものですから、この基本型は不滅の相場法になりうるのです。
なお、基本型の様々なバリエーションについては、第2章で詳しく解説させていただきま
1) 銘柄を限定し、買いと売りの比率の調整によって、利益を上げる方法
まず、自分の気に入った大型株を1銘柄選びます。 通常は、新日鉄、東京電力などが選ばれます。 ゆったりと動き、あまりとっぴな動きをしないからです。
縦50センチ横100センチぐらいの大きなグラフ用紙を買ってきて、300日前ぐらいからの毎日の終わり値を、折れ線グラフで引いていきます。
折れ線グラフには、出来高とか余分なものは一切書きこみません(これが最も大事なとこ ろです)。
普通、新日鉄なら川鉄とNKKを、東京電力なら中部電力と関西電力を一緒に書きこみま すが、売買をするのはあくまでも新日鉄と東京電力だけです。
そして毎日そのグラフだけをじっと見つめているのです。
もう少し真面目な人は、ノートに縦線をひき、株価の終値だけを縦に書いていき、時々はそ のノートのほうも眺めます。(間違っても出来高とか、前日比とか余分なものを書いてはいけ ません) デジタルとアナログの併用というわけです。
最も大事なことは、一切の情報から自らを孤絶することです。 毎日必ず、折れ線グラフを一本だけ延ばし(わずか10秒の作業です)、後はただひたすらグラフを眺めつづけます。
テレビを消し、新聞にはさみを入れ、ただひたすらにグラフのゆるやかな波動にわが身を 溶かしこませよ! というわけです。
すると、上げたり下げたりを3度ほど繰り返すうちに、そろそろ底打ちしそうだな、と思えてくるようになります。
また、例えば川鉄は新日鉄より1~2日先行して波動が逆転することが多いな、等という事が、あくまでも感覚で捕らえられるようになってきます。
これは案外面白いもので、この時点ではかなりトリコになる方が出てきます。
そこでいよいよ、実際の売買に入っていきます。 資金を30等分してそれを1枚とします。
仮に500万円なら、1枚16万円になります。
新日鉄など正にうってつけの銘柄になります。
やり方は全部で5段階に分れていて、1段階に1年ほどかけて少しづつ、建て玉を次第に 複雑にしていきます。
そこが単なる当てものとは違う技術の部分で、6ヶ月ぐらい毎に自分の感覚(技術)が、向 上していることを実感すると思います。
<引用ここまで>
(つづく)