歩く銀杏 (4)

<引用ここから>

<こらむ>

コラムのほうが(私には)おもしろくなってきましたので、コラムを続けます。 なお格言は、きちんと調べればいいんですが、面倒なので私の記憶だけに頼りますので、多少間違っているかもしれません。ご容赦下さい。

さらに相場全体をあらわすものとして「孫子」では、

知り難きこと陰(かげ)の如く
動くこと雷震の如し

と続き、 武田信玄では、長いので簡単に言えば

六分七分の勝ちをもって最良の勝ちとなす
十分(じゅうぶ)の勝ちは五分の負けなり

と続きます。

さらに私はこれに、アメリカのあまりにも有名な言葉、

(相場)は
絶望のうちに芽生え(買い)
疑いと共に成長し(待つ)
楽観の中に成熟し(売り)
幸福と共に消え去る(休む)

を加えるといいと思います。

これは本来、10年単位の大回りに使われる言葉ですが、小回りでも、個別銘柄にも充分通 用するものだと思います。

さてまず、買いの局面についてです。

疾きこと風の如く、とは、まず仕手筋が玉を集める場合、姿が見えてはいけないということです。

古来中国では、風は天から吹いてきて、その使いをするのが鳥であると考えられていました。 そこで「風伯」という神を祭り、少しでも鳥が来てくれるようにと、貴族達は、鳥の止まりやすい門を作りました。

周王朝の時代です。

この門が日本に伝わり、神社の鳥居の原型になっています。

つまり買い場は、天から吹くということです。

ボーナスをもらったから株でも買おうか、という個人的な事情はまったく関係ないということです。

陰極まるところおのずから陽に転じ、その時買いの一陣の風、天からもたらされます。

風立ちぬ、いざ生きめやも、です。

なお漢字の元は、沼地に舞い降りた天の使いである鳥たちの足跡から生まれたという説が有力です。

つぎに、 勇を奮って買い、ですが、 これは宗久翁の秘録にせよ、三猿金秘録にせよ、繰り返し言われていることで、例えば

野も山も 一面皆弱気なら 阿呆となりて 買いの種負け

などです。

このポイントは、阿呆となりて、にあります。

ほかにも、たわけとなりて、とか、海中に飛びこむ気持ちとか、つまり、正常な人間ではとてもできない状態にならなければならない、ということです。

頭では理解しても、なかなかできるものではありません。

私たちがよく、人の行く裏の道をいったつもりで失敗するのは、とてもそこまでやっていられないからです。

これはアメリカの、絶望の中に、に当たります。 以前私は、こういった格言が大好きでしたが、自分にはとても不可能なことがわかり、今では、

相場に(そういった)度胸はいらない

と言う格言のほうが好きです。

ではどうしたかというと、自分の好きな格言を、すべて数字でおきかえるようにしたのです。

例をあげると

買い方総投げの大峠(洞峠・落城峠)怖いところが買いの極意よ

という格言があります。

そこで、買い方総投げ、を信用損率の数字に置き換え大峠は、折れ線グラフを逆さにして、縦(値幅)と横(日柄)をかけあわせた、面積に置き換えといった具合です。

そこで数字が買いになれば何も考えずに淡々と買います。

<引用ここまで>

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