新連載スタート 相場そのままと相場離れ(1)

「歩く銀杏」に続き、今回から新しい連載「相場そのままと相場離れ」をスタートします。

<引用ここから>

* 平気でウソをつく人々

総理大臣を筆頭とする日本を代表するトップに立つ人々十数人の中で、一人だけ、ウソをつ くことが許されている人がいます。(許されないでも、みんなウソをついていますがね)それは 日銀の総裁で、日銀の政策が直接金融市場、とりわけ債券市場に影響を与えるため、ウソをついても許されるという暗黙の了解があるのです。

公定歩合を下げそうな雰囲気を市場に期待させながら下げなかったり、あるいは期待どうり 下げたり、どのような態度をとってもいいことになっています。(最近は、だいぶ不自由なようで すが)

一方、あらゆる組織においては、トップの存在というものは想像以上に影響力のあるものです。 従業員数万人の大企業でも、社長の考え方一つで、組織は急速に変化していきますし、学校 でも校長のやる気一つで、見違えるように変化するものです。

社長交代は何はともあれ買い、というのもそのあたりの機微を言ったものだと思います。

この二つの事実を結びつけると、どういうことになるでしょうか。 つまり、金融界はトップがウソをついてもよい世界であるということであり、そのトップの在り方 が、金融界全体の雰囲気を支配しているということになります。

そうです、金融界というのは、平然とウソをついても何一つ非難されない世界なのです。

ウソのつき方も色々あります。 銀行関係では、原則としてウソはつきません。彼等の言うことは一応真実ですが、問題は彼等はすべてを言わないという点にあります。

彼等の説明は真実ですが、真実のすべてを語っているわけではありません。 それは故意に、という部分も確かにありますが、面倒くさい点や、彼等自身がよく理解していない点などにもあります。

たとえば、あなたが銀行ローンを借りて念願のマイホームを購入したとします。あなたはそのマイホームは自分の資産だと思っていますが、実はローンの払い終わるまで(25年間も)それは銀行の資産なのです。

そんな事を言ってくれる銀行員はいません。 そしてマイホームの資産価値がなくなったとき初めて、それはあなたの資産になるのです。

証券界では、平然とウソがまかり通っています。 昔から、「買いたい弱気、売りたい強気」というのは、当然の事実でした。

アナリストが評価を引き下げたり、証券会社の役員が新聞や雑誌に弱気のコメントを無理とし て、人々に売らせてその安値を自ら買ったり、逆に強気のコメントをして人々の買いに自らの売 りをぶつけるなどという事は、余りに日常茶飯の出来事です。

最近はこの手の話にまったく興味がないので少し古い話になってしまいますが、87年のブラ ックマンデー以後の相場の低迷時に、晩秋から年末にかけ、〇証券が全支店の全顧客に弱気の電話攻勢をかけて株を投げさせ、それを自らが買い向かって、以後89年末へのバブルに向 かって突き進んでいったことは、内部告発によって後に明らかになった有名な話です。

情報というものは、その発信者の意図が必ず含まれており、通常発信者の意図は、表面的な意味とは逆の方向にあることが多いようです。 しかも、一見中立的な、客観的な装いを施した情報ほど、発信者の思惑が強く表れているも のであり、その代表が様々な形で皆さんに提供される数値とか指標、つまり数字なのです。

数字ほど加工しやすいものはなく、その数字をもとにしたグラフほど、どのようにでも改変でき るものなのです。 この書き込みではグラフがかけませんので様々な加工法の説明は省きますが、投資関係のメディアには何と子供だましのグラフが溢れかえっていることでしょうか。

そんな証券界にも、すばらしい能力があります。

今回から2枚以内にさせていただきますので、その話は次回にさせていただきます。

<引用ここまで>


スポンサーリンク
スポンサーリンク




スポンサーリンク