新シリーズ 誰も書かなかった株式投資(壱)

<引用ここから>

* シリーズONE  そしてそれから(1)

私には夢がある(I have a dream.)。

この掲示板に集った数千の方々の中から、とりわけて30代40代の、今だ多くの可能性を秘めた若き方々の中から、5人でも10人でも、私など足元にじゃれつく猫にしか過ぎないような、本物の相場師が生まれて欲しい、という夢が。(相場の世界は政界に似て、30代40代は紛れもない若手です、20代は若いとはいわずに幼いといいます)

それには12年を越えるこの大下降相場のまさしく陰の極にあるかのごとき今現在が、最もふさわしい時 期ではないかと思われるのです。

相場は様々な逆説に満ち、パラドックスの霧におおわれた、摩訶不思議な世界です。 それは正に、逆説の論理によって構築された宗教の世界や、価値観の逆転こそが評価される芸術の世界と、極めて相似な関係を持った世界かもしれません。

そうした逆説の1つ1つを解き明かし剥ぎ取り、人々の誤解を正そうとする貴重な意見 ―― この掲示板に 即して言うならば、〇〇さんや〇〇〇さんや〇〇さんなどの素晴らしき卓説――は、果たしてバブルに浮かれあがっていた十数年前なら、そしてITバブルの絶頂期でなら、如何ほどの関心を持って、人々の心を捉えたでしょうか。

買ってはやられ、含み損を抱え、自らの無力を認識する今こんな時だからこそ、そうした意見に(そして私の如き、偏屈なオヤジの溜め息のような愚論にも)少しは興味を抱かれるのかもしれません。

そうした意味では、今こそ相場の真髄、証券業界を取り巻く様々な商業主義(それらは鵜の目鷹の目であなたの財布を狙っています)のもたらす雑音やまやかしにとらわれない、相場の真実の姿を学ぶ、絶好のチャンスではないのでしょうか。

あまりにも言い古された言葉ではありますが、成功から学ぶことは何もありません。 失敗からこそ人は学び、失敗の悲しみこそが、人を育てるのです。

いつかある日、相場は大底を打ち、新たなる胎動を開始するでしょう。 30代40代の方々には、いまだ大いなる時間が残されています。 その時、日本の未来に屹立する新たなる本物の相場師が、皆さんの中から輩出されることを願って、あえて、火中の栗を拾ってみたいと思います。

皆さんのほとんどが抱いている相場に対する誤った認識、それはこの掲示板をざっと一瞥するだけでも、無数に指摘できます。
あなたはまず考え方を変えなければならないのですが、それには逆境と読書と実践が必要になります。そして心を白紙にして、一切の固定観念を捨て去って、変化を受け入れなければなりません。
あなたの世界に、単一ではない、重層感覚を伴った価値観を、付け加えなければならないのです。 それには皆さんの年代が、許される最後の年代なのです。

そもそも今何気なく書いた、本物の相場師、という言葉さえ、皆さんは誤解なさっていられると思います。
巷間相場師の代表として取り上げられる人々、本間宗久翁にせよ、福沢桃介にせよ、そしてあの是川銀蔵翁にせよ、いずれ明らかにしますが、相場に関わった期間は彼らの人生の1部に過ぎなく、生涯を相場に賭けた本物の相場師ではありません。

今いったところで誤解なされると思いますし、又、簡置きが長くなるのも望みませんので、最後に、私が考える本物の相場師のイメージを、短い言葉で表しておきたいと思います。
この言葉こそが皆さんの中の、意欲ある方々が目標とすべき、最終最後の到達点ではないのでしょう か。(違うというならそれもまた良きかな)

「相場が人生なのではない 人生が相場なのだ」

この意欲を持った、極く限られた未来の輝かしき投資家に向かって、このシリーズを送ります。 そしてこのシリーズを貫く基本的な考え方は、文豪幸田露伴が生前好んで揮毫したといわれる言葉、「逆順入仙」です。
世間一般の「順」なる考え方に逆らうことによって「仙」に入る、それゆえ、「誰も書かなかった」シリーズとなります。

除夜の鐘をきいてから
海岸に出てみたまえ
すばらしい干潮!!
沖に向かってどこまでも歩いて行くのだ
そして
ひたすら少数の者たちのために手紙を書くがいい(田村 隆一「新年の手紙」)

なお、27歳以下の方は、原則としてまだ株式投資は生活の極く一部にとどめておかれた方がよいと思います。
勿論興味を持ってその推移を見守ることは非常な勉強になりますし、あるいは、他の年代では決して許されないバーチャル投資などを、試みられるのもいいかもしれません(私は絶対反対ですがね)。

しかし皆さんは、いまだお金を使うという点においては単なる消費者でしかありません。 消費者とは「買い」の感覚しか持たない存在であり、消費者が投資家になった場合、かなりの損失を要求されることになっているのです。(だから相場で損をするのですが、気がついている人などまずいません)

消費者 ⇒ (   ) ⇒ 投資家 という流れになっており、消費者は、別の何かを身につけてから投資家にならなければなりません。
カッコの中にはその人に応じて様々なものが入りますので、自分の場合は、と、じっくり考えてみてください。
私も3つばかり浮かぶのですが、いってしまえば、ああそうか、で終わってしまいますので、自分でじっくり考えて、自分流の答えを導き出した上で株式投資を始めるようにして下さい。 何でも他人が与えてくれると思ってはいけないのです。

それではまず、株式投資本の読み方を通して、株式投資における情報や知識の持つ意味合いについて、解説してみたいと思います。

よく投資の本を読むとき、何を読んだらいいですか、という質問がありますが、乱暴に結論を言ってしまえば、何を読んでもいいのです。
ただし、ある一つのことだけに注意して読みさえするならば。

本屋に行き、棚の端から5冊取り出して、そのままレジへ。
カバーなるものは必ず断って、家へ直行、そのまま寝転んで読み、解らないところは解る必要はさらさらなくさっと流し読み、眠くなったら眠る。 ただし、ある一つのことだけに注意して読みさえするならば。

では、注意しなければならないある一つのこととは、いったいなんでしょうか?

(以下次回)

<引用ここまで>


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