秘密の小部屋通信(1)

この記事は 2003/01/17に投稿されたものです。

<引用ここから>

〇 去年今年(こぞことし) 地中秘めやかに 水流る

だいぶ遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
最もこの原稿は、1月3日には書きあがっていたのですが、怒涛の如きエントリーの波浪に巻き込まれてはつまらないと考え、今まで書きこまないでおいたものです。
そろそろよろしいでしょうか。 〇〇先生、trader21さん、〇〇〇さんはじめメンバーの皆様方、本年も忘れかけられた頃合いを見てひょっこり顔を出したいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○ コカコーラの 空瓶の中 凍てし島

世界は一つの同じ形なのですが、その世界との関わり方は、各人各様、正に様々です。相場をするということは、相場を通して新しい(仕事とは別の)世界と関わる覚悟をする、ということです。
大切なのはその覚悟であり、その覚悟さえあれば、派生するもろもろの出来事は、どうでもいいことになります。

そもそも相場で成功する人間は、(極めて個人的な意見ではありますが)心に何処か「針」の如きもの、「棘」の如きものを持った人間ではないか、と私は思っています。「偉い人」の語源は、「いらいひと」であり、つまり「イライラするようなところを持った人」という意です。
すべてをわきまえた良い人、が、何ほどのものか。

この掲示板でも、読んでいてなるほどなと思いながら、何かイライラするような文章、それこそが恐らく、あなたにとって必要な文章なのです。何故イライラするのか、その部分をつきとめていくことによって、あなたに新しい地平が開けるのは間違い無いのですが、そこまでいかずに、放り出してしまうのが、私を含め人間の、弱いところなのでしょう。

○ 狐火は 見なかったことに して寝よう

さてと閑話休題、

去年は私にとって、相場も私生活においても、惨憺たる年でした。
年明け早々、地主から何十年も借りていた借地の買取を要求され、安値買いのために予定 していた資金のほぼ全額を使わざるを得なくなり、天与の買い場だった2月の安値で、ほとんど買うことが出来ませんでした。

現金がほとんどなくなるという、めったに経験したことの無い状況に影響されて、心理的にも余り強気になれず、7月以後の下げ相場もただ呆然と眺めているだけの日々でした。

〇 十月の 壁よ私と 日暮れるか

しかし、これは決して負け惜しみで言うわけではないのですが、私のように20年以上相場と関わっていますと、「負ける時には負けたほうが良いのだ」ということが、身に沁みて分かっていますので、去年は負ける年だったのだな、と思っています。

良寛和尚の「災難に遭う時には、遭った方が良ろし」と言う言葉の真意、若い方々にはお分かりになるでしょうか。利益と言う風船、一気に膨らませてしまえば、何処かで必ず破裂します。 膨らんでいく途中で、時々吹く息を抜き、少しづつ膨らませれば長く膨れます。

○ 冬薔薇(ふゆそうび) 君がハイジと 別れる日

このあたりの微妙な感覚、若い方々は分かる必要はありませんが、ある程度の年齢を重ねた方々は、理解しなければなりません。まして相場には、そうした地味な現実感覚を麻痺させるような毒素が含まれていますので、ならばこそなおさらのこと。

〇 ペコちゃんに 齢(よわい)重ねし 今朝の春

<引用ここまで>



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