秘密の小部屋通信(下)

この記事は 2003/07/25に書かれたものです。

<引用ここから>

相場とは、腹の立つ仕事である、こんな馬鹿馬鹿しい子供だましのような認識ひとつでも、そこから様々 な思案の小道が繋がっていきます。

自分の利益を日経平均に連動させたいなら、ポートフォリオの一角に中堅の証券株を組み込めばいいだけの話ですし、
推奨株が当らないと思うなら、株式市場がどのような状況の時によく当り、どのような時には危険なのかを調べて対処していけばすむことですし、
他人の儲け話がうらやましく感じたならば、かつては相場に関わるものなら誰でも知っていた魔法の言 葉、「ひともよかれ、われもよかれ、われはひとよりすこしよかれ」と繰り返し呟けばいいだけの話ですし(この暗示効果は絶大です)、 アナリストに腹を立てるなら、そうした情報を無視してまた馬鹿が騒いでいると思えばいいだけの話です。(それでも読みたくなる心の弱さも、理解しています、ならば1分間だけサーッと読み流せばいいのです、所詮、その程度のものでしかありませんから)

売りで失敗して腹が立つなら、まず売りのルールを3種類ほど確立した上で(つなぎ売り、現物売り、空売り)、そのルールに即した買い方買い戻し方を考えるべきだなど(ルールは売りから作る、この凄さわかりますか)、テクニカルやマネーマネジメントにいくらでも工夫することができるのです。

そして迷った時には、常に原点へ戻っていく、つまり、腹が立つのは当たり前のことなのだ、という基本的な認識に。

やがて少しづつあなたは、腹を立てることが減り、安らかに自由に相場と向かい合うことが出来るようになる。

相場とは、かくも面白いものか、と思えるようになる。

あせらない、くさらない、おびえない、そして何よりも腹を立てない人間に、結果は自ずからついてきます。

相場とは、腹の立つ仕事である、という、まるで子供だましのような認識ひとつからも、このように小道は繋がっていくのです。

なによりもまず、相場に対する自らの考えを認識を、あえて言うならば希望を、明確にすること。

その底辺あってこそ初めてその上に、精神の平衡感覚が乗り、マネーマネジメントが乗り、テクニカルが乗り、最後の頂点の部分に、ファンダメンタルに基づく銘柄が乗る、このピラミッド構造が、私のイメージする相場そのものなのです。

以上、言わずもがななことを書きましたが、最後にひとつ、「相場とは何か」と問いつづけることは、実は 「私とは何か」と問うことに重なり合っていくのだ、と指摘しておいて、拙稿、終わらせていただきたいと思います。

<引用ここまで>


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