12万円で世界を歩くリターンズ

「12万円で世界を歩くリターンズ」(朝日文庫;下川裕治)

「12万円で世界を歩くリターンズ」を読んだ。 30年前に書かれた「12万円で世界を歩く」の続編だ。

つい最近この本の存在を知った。「今、30年前と同じルートを旅したらお金がいくらかかるのか?」と思う人が多いようで、下川氏がそんな人たちの要望に応える形で、30年ぶりに同じ路程を旅する話が4話載っている。

この本を読むと、この30年間で、旅の主役が長距離バスからLCCに変わったというのがよくわかる。

今まで安く便利に長距離を移動する手段はバスが主流だった(日本やヨロッパ以外では列車よりもバスが主流だ)。飛行機の国内線もあったが、長距離バスに比べてはるかに金額が高かく、とても庶民が利用できるものではなかった。

しかし近年、長距離バス並みの値段で移動できるLCCの登場によって、長距離バスを利用する人は徐々に少なっている。

利用者の減少によるサービスの劣化は顕著なようで、アメリカのグレイハウンド社が出していた、乗り放題パスが廃止になったのもこのような理由からのようだ。

すでに過去の遺物と化した長距離バスをあえて使って、30年前と同じ旅をするのは大変だと思う。しかもすでに60歳を過ぎた齢でだ。

現在49歳の私が、再びバスで「アメリカ大陸横断の旅」、「南米チリ縦断の旅」、「バハ・カリフォルニア縦断の旅」ができるかと問われれば、考えてしまう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク




スポンサーリンク