30歳から始めたゲーム

人生はまるでゲームのようだ。

30歳までのゲームは明確だった。

いい学校に入って、いい大学に進学し、「いい会社に就職する」で上がりだ。

日本人ならほとんどすべての人が、このゲームのルールを知っているし、勝利する方法も研究されてきた。

私は残念ながらこのゲームでは、勝利者ではなく、敗北者側だった。

私の知らないところですでにゲームが始まっていて、高校生でやっとゲームに参加していることに気づいた。勝つために奮闘したものの、古参のゲーマーに太刀打ちできず、負けてしまった。

「ずるい、走り始めたスタート位置が違う!」、「小さいころからコーチ付きで始めた方が圧倒的に有利ではないか!」

負け犬の遠吠えである。もうどうすることもできなかった。

30歳、再びゲームを始めた。

今回のゲームのゴールは、「働かないで生活する」、ルールは「株で3000万円貯める」とした。期間は始めは考えていなかったが、家族環境で52歳とした。

2度目のゲームは、「ゴール」と「ルール」は自分で決めていいのがよい。

今度のゲームは絶対に負けたくない。前回の失敗を活かして、株のプロに弟子入りし、勝つノウハウを聴き、一人勉強に明け暮れた。

努力の甲斐あって、だんだん資産は増え、52歳で目標額に到達し、フィニッシュテープを切ることができた。

何とか、このゲームでは、勝利者側となった。

勝利者側と言っても私一人しかいない。1回目のゲームのように競争相手がひしめいていたわけではない。まるで、たった一人のマラソンを30歳から52歳まで走っていたようなものだ。

今振り返るとゴールさえ見失わなければ、歩いても、休んでもいい、お気楽なゲームであった。

現在、働いていないので時間が大量にある、「1回目のゲームの勝利者たち」すなわち高い偏差値を持ち、有名大学を経て、有名企業に就職した勝ち組たちのその後を調べてみた。

あれだけ優秀な偏差値なのだから、みなそろって富裕層になっていることだろうと調べてみると意外にも、偏差値が高いからと言ってお金持ちになっているわけではないようだった。

偏差値の高さ ≠ 富裕層

下の「謎解き統計学 | サトマイ」さんの動画がそれを証明してくれている。

今思うとあの当時みな 偏差値の高さ = 富裕層 と信じていたように思われる。だからみな必死に勉強した。

あの当時の有名企業、三洋電機、シャープ、三洋証券、山一証券、日興証券、長銀、拓銀、ダイエー、ヤオハン、カネボウ、武富士、JAL・・・などは倒産したり、合併したり、倒産し再建されたりした。

同じく有名企業、東芝、NTT、NEC、富士通、松下電工(パナソニック)、日産自動車、フジテレビ・・・などは当時の栄光の面影はずいぶん薄れてきているようだ。

当時それらの巨大企業に就職した勝ち組たちは、今何をやっているのだろうか?

私のように「毎日働かずに好きなことだけしている生活」を謳歌しているのだろうか?

さて、私は54歳、まだまだ時間があるので、3回目のゲームをはじめようと思う。

次のゲームの「ゴール」は何にしよう。「ルール」は何にしよう。

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