6/25(火)
No.29「手紙屋 蛍雪篇 私の受験勉強を変えた十通の手紙」著:喜多川 泰
心に残った言葉3つ
勉強は道具
私たち大人を労働に突き動かすもの、それは将来に対する不安
自分のためにではなく、世の中の人のために勉強する
感想
先回紹介した「手紙屋」の姉妹版の蛍雪篇だ。
こちらは大学入試を控えた女子高生が主人公だ。
喜多川先生は学習塾のオーナーなので、学生に接する機会も多く、学生への期待や応援が文面ににじみ出ている。
きっと多くの時間、自問自答されてきたのだろう。
学生が一度は絶対思う疑問
「なぜ勉強するのか?」
その答えが明確だ。
「自分のためにではなく、世の中の人のために勉強する」
子供に「何のために勉強しないといけないの?」と聞かれたら、「世の中の人のために頑張りなさい!」と言ってあげたい。「あなたの今日1日の勉強が、将来の世界を大きく変えることにつながるのです」と。
さすがだ!
考えてみたら、明治時代の初期、西欧から大きく立ち遅れた日本を西欧に追いつかせるために、明治新政府は多くの有望な若者を西欧に派遣した。
彼らはそこで猛勉強し、西欧の最先端のモノを日本に持ち帰った。行政だったり、法律だったり、軍律だったり、医学だったり、税制だったり・・・。
派遣された若者たちの勉強の目的は、自分のためではなく、日本のためだった。
新政府にお金がないので、彼らは安い下宿先で貧乏生活をしながら、「この勉強は日本のため、私の勉強が一日遅れれば、日本が一日遅れるのと同じこと」と、懸命に勉強したそうだ。
彼らが頑張って勉強して下さったため、今の日本があり、世界に誇れる日本国があることを、私たちは決して忘れてはいけない。
「勉強は、誰かのためにするもの」この答えは真理をついていると思う。