最近、仕事をしていて思うことがある。「俺の人生どこで間違ったんだ」と。
47歳にもなって、何で俺はこんなことをしているんだ。思えば20歳の時は世界中を旅していた。将来は大学を卒業して、世界を舞台に働こうと思っていた。しかし、現実は群馬の小さな町工場で溶接をしている。
こんなはずではなかったのに・・・。
そんなことを考えていたら、昔観た「ペパーミント・キャンディー」という韓国映画を思い出した。
主人公キム・ヨンホは河原の鉄橋によじ登り「あのころに帰りたい…」と叫びながら列車に衝突し、自殺をする。
愛する人を失い、家族を失い、友人に裏切られ、多額の借金を背負い人生のどん底での自殺だった。
なぜ彼がそんな人生に至ったのか、各章ごとに時代がどんどん遡っていく。韓国好景気時代会社を経営していて羽振りが良かったこと、幸福な家庭を築いていたこと、もともとは警察にいたこと。
さらに、1980年の光州事件の軍隊生活の出来事なども描かれ、最後は大学生時代の河原での楽しそうなピクニックシーンに繋がる。そのピクニックの河原は、冒頭主人公が自暴自棄になり自殺した鉄橋のある河原だった。
河原でのピクニックで輪を囲んでいる主人公の希望に溢れた顔を見たとき、まるで我が事のように感じたのを覚えている。
「あ~、あんな時代が俺にもあったな。こいつの人生はまるで俺じゃないか。」何とも言えないシンクロを感じた。
この映画を初めて観てから17年が経った、そのシンクロ感は、ますます深くなっている。
決して戻ることはできない過去、もしあの時あのようにしておけば、あそこに行かなければ・・・。悔やむことが多い。
「삶은 아름답다(人生は美しい)」、この映画の中で出てくる言葉だ。
とても切ない映画だが、とても面白い映画だ。人生後半の人にお薦めの映画だ。