(つづき)
夜23時頃、目が覚めた。
喉が渇いたので、2Lペットボトルに入れた水をガブ飲みした。
寒い、室内温度をみると8℃だ。
やはり10月下旬の赤城山山頂は寒い。
幸い、天気予報通り、今のところ雨は降っていない、風も吹いていない。
湯たんぽが冷たくなっていたので、テントの前室でお湯を温め直した。ガスバーナーで湯を沸かすと室内温度が1℃上昇した。
さて、沸騰した湯を湯たんぽに注ぎ終えるとやることがない。
再び寝ようとしても、一度起きてしまうと眠たくなくなる。
遠くで鹿の鳴き声が時々聞こえるくらいで、静けさだけが残った。
先回は隣の人のイビキの音が聞こえた。煩いと思ったものの、近くに人がいるという安心感があった。しかし今回はオートキャンプエリアに1人いるだけなので、心細い。
昔聞いた山の怖い話しを思い出す。湿った落ち葉を踏む足音が聞こえたらどうしようと思い、怖くてランタンの光を消すことができなかった。
イノシシだろうか、獣の鳴き声が近くで聞こえる。
これも非日常、山の中テントで一晩過ごす、家では体験できないことだ。
とにかく寝ようとランタンの電気を消し、しばらく横になっていたら寝てしまったようだ。
朝5時に目を覚ます。
辺りはまだ暗い、しばらく昨晩の米国相場をチェックし時間を過ごす。雨は降っていないようだ。だんだん外が明るくなりはじめる。
7時テントの外にでる。曇っているが雨の心配はなさそうだ。
湖畔を散歩する。
昨晩はキャンプ場は、2人のみだった。明るくなると何ともないが、夜の山の中で一人寝るのは怖い。
朝日が差し込める。
ガスバーナーで湯沸かし、湖畔でコーヒーを飲む。
8時半、撤収の準備をする。撤収をしているとオートキャンプ場の人と話をする機会があった。彼は一人のようだ。夜寒かったと言っていた。
9時半、撤収作業終了。自宅に戻る。
赤城山を下り始めてすぐに、深い霧に包まれた。雲の中なのだろう。霧が晴れると曇天の天気、今日一日曇り、のち雨となった。
赤城山山頂の天気予報をみると、今日一日ずっと雨マークだった。
雨の時間帯をうまい具合に避けて、キャンプができてよかった。
帰りに妻に頼まれたリンゴを買って帰った。
今年のキャンプはこれで終了だ。
(終わり)