歩く銀杏 (8) 前編

歩く銀杏(8)も長文のため前編、後編に分けさせてもらいました。

<引用ここから>

2)原則を守る不退転の決意

相場を始める場合、何らかの形で自らの投資の原則を打ちたてることは、最低限の必須事項となります。

今回はまず初めに、原則作成の基本的な考え方を紹介したのちに、私自身の考え方を少し述べさせていただきたいと思います。

相場をする難しさは、自らの心の中に二つの相(あい)対峙する性質を備えていなければならない、という事です。

以前、ブル(強気)は時々儲けることが出来る、ベア(弱気)も時々儲けることが出来る、 という格言を紹介しましたが、ブルといっても当然ベア的な要素も持っていなければならず(2対1位かな)、それはベアにしても同じ事です。

大胆かつ臆病、積極と消極、情報を収集しつつもそれに影響されない自律性、孤独に強いにもかかわらず頑固に固まらない柔軟性、冷徹な論理性と情緒にもなじむ感性の豊かさなど、 まるでジキル博士とハイド氏のように、一人の人格の中に二つの相反する性格が要求されるのです。

しかし、そんな性格を備えている人間がどれほどいるでしょうか。

また仮にいたとしても、性格的な破綻をせずに日常生活を送っていけるものでしょうか。

そこに原則の必要となる、第一の理由があります。

つまり、自分の欠けている面を原則で補う、という発想です。 強気な性格で、つい高値掴みをしてしまう場合、仲値以上では買わない、とか、サイコロが4以上では買わないという原則を作成することによって、自らの欠点を補います。

あるいは周囲の雰囲気に呑まれやすく、つい高値で売りそびれてしまう場合なら、3割上昇したら見ざる聞かざる言わざるの三猿となって必ず売る、などといったことです。

ですから投資の原則とは、「してはいけない」という禁止事項が中心となり、もしかしたら相場の楽しみをあなたから奪ってしまうかもしれません。

「原則」は、原則として30項目作るというのが一般的ですが、すぐにそこまで行く必要はないと思います。

私の個人的な考え方を言わせていただけるなら、3銘柄失敗したらその原因をじっくりと考えて、一つの原則を生み出せばよいと思います。(1銘柄だと、たまたま運がなかったということもあるからです。相場は運7実力3の世界で、またそこに投資家の不勉強の真の要因があるのですが。)

相場とは、失敗の続くゲームですから、3年もすればかなりの原則が生まれてくるのではないでしょうか。

原則が決まったら、ノートの1ページ全部を使って、大きくサインペンでペン跡鮮やかに、目を閉じてもまぶたの裏に浮かんでくるように書いておきます。

それはこれから守っていかなければならないのですから、簡単に、はっきり実行できるような、単純明快なものでなくてはなりません。

どうにもブルドッグソースというときには(オヤジギャグです)、相場というものの持つ特殊性に思いをはせてみるのも良いかと思います。

相場と不動産、相場と競馬、相場と囲碁将棋、相場とゴルフ、相場とマージャン、相場と宝く じ、今風ならば相場とトト。

その違いを徹底的に考えることは、意外なヒントを与えてくれるかもしれません。

それでは以下、原則として何を決めなければいけないか、その大まかなアウトラインを書いておきます。

<引用ここまで>

(つづく)

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