相場そのままと相場離れ(3)

<引用ここから>

* 「貯畜」の持つ本当の意味(最後に注つき)

私はよく若い人には、次の二つのことを繰り返し言います。

1、カードを使うな

2、手取り全収入の2割を貯畜しろ

カードについてはあとで説明しますので、今回は貯畜の持つ本当の意味合いについて、誰も教えてくれないことを書いてみたいと思います。

その前に、2割というのは20代の独身の方のことでして、それぞれの年代のシミュレーシ ョンはありますが、長くなりますのでもし希望があれば書いてみますが、ともかく原則2割を頭に入れておいてください。(自宅から親掛かりで通勤している場合は、3割になります)

私たち資産形成を目的とする逆張り投資志願者は、まず着実に投資のもとになる資金を、 貯畜することにより、増やしていかなければなりません。

この2割という数字は、過去の様々な先達たちの、理想と現実のハザマで揺れ動いた様々な試行錯誤の結果はじき出された結論であり、これは皆さんが想像する以上に重みの ある数字なので、たとえどのような個別事情があろうとも、このラインは譲ることのできないものです。

仮に月4万円として48万円、ボーナスや出張旅費のごまかしや祖父母からの小遣いなどを入れて(手取り全収入の2割なんですよ)年間60~80万円ほどになるでしょうか。 最もはるかに少なくても一向に構いません、何より2割2割2割が大切なんですから。

この貯畜には、3つの大切な意味が隠されています。

2つは極く平凡なことで、すでに理解しているとは思いますが、何といっても学校でも会社でもFPでも、お金のことは教えないかウソを教えるかどちらかなので、一応書いておきますが、大切なのは3番目です。 そこはじっくりと確認しながらお読みください。

まず1番目は、あなたが果たしてお金に好かれる人間であるかどうかがわかる、という事です。

そのためにはまず何はともあれ100万円、ためてみてください。 よくいわれることですが、一万円札は一個のレンガであり、20個、30個のレンガでは、子供のおもちゃにしかなりません。

ところが100個のレンガを積み上げると、それはささやかながらも1つの塀を形作り、あなたの心の涌き水に、小さな石ころポツンと一つ投げ入れられます。 ここであなたがどういう反応をするか。 他人との比較などどうでもよいのです。

あなたが初めて自らの力だけで貯めた100万円。

それはあなたの100個のコレクション、100人の小人。 ささやかな歓びや愛しさ、チョットした達成感、子供の頃、机の引出しにしまいこんだドングリやマツボックリをひっそり自分だけで楽しんだような懐かしさが、あなたの心に湧きあがっ たでしょうか?(これはレトリックなのですから、間違っても古いなあという言葉で片付けてはいけませんよ)

20万円のパソコンを買いたいのだけれど、なぜか100個のレンガを崩したくない気がして、パソコンは別に数ヶ月頑張って貯金して買おうかなと思うでしょうか?それともたかが100万円、何の感慨も別段浮かぶことはなく、さっそく何を買おうかなと考えるでしょうか?

もし最後だったら、あなたはお金が好きではないのであって、当然お金のほうでもあなたを好きになってはくれず、私たち資産形成を志すものには何の関係もない通りすがりの人でしかありません。

勿論、そういった方には私たちとは違う株式投資のやり方がありますので、ご幸運をお祈り致します。

この初めての100万円は、あなたがお金に好かれる人間であるかないかを教えてくれるものであり、カードのところで説明しますが、実はお金は生き物ですので、まず好きにならなければ相手も好きになってくれないのです。

100万円貯めて、自分の心をじっと見つめて、お金そのものが好きかどうか、物を買えるから好きなのではなくお金君そのものが好きなのかどうか、しっかりと確認してください。

2番目は、アインシュタインが「人類、最高の発明」と言ったとか言わないとかいわれる、いわゆる「複利」を味方に出きることです。

ただいかんせん今日の日本の金利は、あのローマ帝国によって地上から消滅させられた ハンニバルの故郷カルタゴの記録を破る、人類史上類例のない無金利状態に置かれていますので、今は期待できないところがつらいところです。

でも、変化は、あきらめたときやって来る。 時代がいつ逆行を開始するかは誰もわかりませんので、当面は、サラ金やカードに頼って 「人類、最高の発明」を敵に回さないだけで、あきらめておかなければなりません。

さていよいよ、誰も教えない貯畜の持つ本当の意味ですが、すでに約束の2枚書き終わりましたので、次回ご期待下さい。

<引用ここまで>

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