歩く銀杏(8) 後編

歩く銀杏(8)前編の続きです。

<引用ここから>

拙いもので恥ずかしいのですが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

ア)買い銘柄を決定するための原則

ファンダメンタルの側面から
基本は一株益上昇、でしょう。私は売上が増えていることも条件に加えています。

テクニカルの側面から
銘柄選びには、通常月足を使います。私が上場後10年以上の銘柄だけを対象にして いるのは、最低10年分位の月足がないと、波動が読めないからです。

イ)買い行動に出るときの原則

ファンダメンタルの側面から
余り使わないようです。PER、PBRをほんの少し、といったところでしょうか。

テクニカルの側面から
日足を使うことが多いようです。プロは週足は使いません。私は使っているのでアマチュ アです。

ストラテジカルの側面から
どういう約束にしたがってナンピン買い下がりを実行するか、ということです。 

ウ)現物売りの原則

ほとんどテクニカルな側面から決定するようです。初心のうちは売りあがりはせず、一括売りのほうがいいと思います。

あと、人によっては、ツナギ売りの原則、空売りの原則などが必要になると思います。

エ)含み損銘柄の処理方法の原則

「絶対に決めておかなければなりません。色々な方法が考えられますが、心理的に無理の少ない方法でなければなりません。机上の空論だけは避けなければなりません。最も工夫を要する、ワクワクするところです。

オ)資金管理の原則

ここで一言、どうしても言及しておかなければならないことがあります。それは初心者向けの本などに必ず書いてある、2割を現金として余裕資金を持つ、という、その2割の現金をあなたがどう考えるか、ということです。

通常の投資ならば、何ら問題は生じないかもしれません。

しかし今回のような暴落に出遭った場合、その2割の現金は使って良いものかどうか、使えば2割の余裕資金はなくなってしまいます。

その心理的圧迫に、自分が暴落の最中でどの程度耐えられる性格なのか、あらかじめ決めておき(今回は天が与えてくれた願ってもない勉強の場です)、耐えられそうもないなら、暴落用に(変な言い方ですが)もう2割用意して、通常は6割の資金で運用するといった必要も生じてきます。

ずいぶん枝葉末節な細かいことをと思われるかもしれませんが、そうした決め事が、意外と暴落に立ち向かう清冽な勇気を与えてくれるものなのです。

それが覚悟であり、勇気こそが人間を諮然と峻別する唯一の精神の方向性である以上、 すがすがしい勇気の湧き溢れるように、原則も定めるべきなのではないでしょうか。

以上で、基本的なアウトラインの説明を終わりますが、伝わるもの、多少なりともあったでしょうか。

ここで一つだけ気をつけなければならないことは、原則は決して難しいものではなく、極く初 歩的な基本的なもの単純なもので良く、あまり技巧的な小細工は必要ないということです。

なお以下のことはあくまでも、私たち中長期投資の道をゆっくり歩もうと志したものだけに当てはまることなので、短期投資の方は異論があって当然であり、やり方が根本的に異なっていますので、よろしくご理解下さい。

私たちは、空中ブランコのように買って売ってまた買ってまた売ってといった絶妙な妙技を、まずあきらめるところから出発しなければなりません。

俗に、「運、鈍、根」といいますが、亀のように、牛のように、相場の小さな動きには余り一喜一憂しないで、あくまでも鈍く、あくまでものろまに、人に笑われながら、しかし決して休むことな く、でくのぼうのように歩いていけばよいのです。

これはあくまでも私の経験則であり、何ら論理的な根拠はないのですが、どうも幸運の女神様は、あまり小賢しい人間よりは、少し鈍いようなそれでいて粘り強くあきらめないような人間 のほうが好きなのではないか、と思われる節があるのです。

今回の暴落にしても、前日に売り抜けるような妙技は、私たちには最も縁遠いテクニックだと いえるでしょう。

たとえ暴落に遭遇しようとも、我らに原則ある限り、あくまでも原則を死守する不退転の決意 を持って、勇気ひとつを友達に、悲しくなったら丘に登って空でも眺めて、そうだ、草笛を吹こうよ(いけね、吹き方知らないよー)。

以上、投資の原則について、簡単に紹介させていただきましたが、実はここには決定的とも言える2つの大切なことが、ものの見事に欠落しているのです。

そのことを次回説明したいと思いますので、この項まだ続きます。

もったいぶるな、と思われるでしょうが、これでも興味を少しでもつなごうと懸命に努力しているのですから、お許し下さい。

<引用ここまで>

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