私だけインドへ

とうとう妻からインドに行く許可が下りた。

タイで妻と別れ、妻は日本に帰国、私はその足でインドのコルカタを目指すことになった。

前にも書いたが、インドには、どうしても行きたいわけではない。どちらかというと行きたくない。しかし、行ってみたい。

何とも複雑な心境だ。

20歳の時イギリスから、ケニアのナイロビに行く時も同じような心境だった。

あの時は「死」を覚悟して行ったものだった。ライオンに食べられるのではないか、アフリカ人に襲われるのではないか、変な病気にかかるのでないか、行く前にはいろいろな思いが交錯した。

しかも当時ケニアに長期滞在するには黄熱病、腸チフス、狂犬病、破傷風等の予防注射をせねばならなかった。

高熱にうなされるなか、「何で俺はここまでしてアフリカに行くんだ」と自問自答したのを覚えている。若さゆえの好奇心のなせる技だ。

しかし、実際ライオンに食べられることはなかったし、アフリカ人に襲われそうになったが何とか大丈夫だったし、ひどい腹痛に襲われ病院に行ったことはあったが、命に別状はなかった。

1991年(当時21歳)に南米エクアドルからペルーに入った時も、「死」を覚悟して入国した。当時ペルーはフジモリ大統領政権下で、何人もの日本人が、テロの標的にされ、殺された。

しかし首都のリマで泊まっているホテルのすぐ近くで、共産党ゲリラによる爆破テロがあったことと、アレキパという町の市場で、クレジットカードの入ったお財布を盗まれたくらいで済んだ。

実際行ってみると、案外平気なものだ。人が住んでいるところなのだから、当たり前といえば当たり前だが。

さて、バンコクからコルカタに飛行機で飛び、コルカタから列車でブッダガヤ、ブッダガヤから同じく列車でバラナシに向かう予定だ。バラナシから先はまだ考えていない。たぶんコルカタに列車で戻ってくるだろう。そしてコルカタから飛行機でバンコクに戻ってくるつもりだ。

インド滞在は2週間を目処にしている。

スポンサーリンク
スポンサーリンク




スポンサーリンク