働き始めて早いもので8か月が過ぎた。会社にも慣れてきたが、相変わらず仕事がない。
こんなんで大丈夫なのかと先輩に聞いてみた。
先輩も不思議に思っているようだが、すでに3年この状態が続いているそうだ。きっと「金のなる木」でもあるのだろうと冗談を言って、あまり考えないようにしているそうだ。
事実、会社の資金繰りは我々従業員が心配することではない。
私が唯一気を使っているのが、今日できる仕事を、今日中に仕上げないこと。明日する仕事がなくなってしまうからだ。
仕事を長引かせるには、適当に休憩をとるか、できるだけ非効率で作業をしなけれなならない。
残業がなく、有給使い放題、長期の休みがとりやすく、仕事も楽、こんな会社はあまりないだろう。
たぶん、この会社が私にとって「ついの職場」になるだろう。なぜならこんな職場環境に慣れてしまったら、他の会社で仕事は務まらなくなるからだ。
現在48歳、できるだけ長くこの会社で働きたいものだ。
今日できることを明日に伸ばすという考え方は、リタイヤ生活ではとても大切だ。私がセミ・リタイヤしていた時、一番つらく感じたのが、明日やることがないことだった。
非効率を悪と憎むサラリーマンが退職した場合、すぐにやることがなくなって、気が変になってしまうと聞く。
効率など何の役にも立たない世界で生きているのに、効率を求めるなんて、ナンセンスもいいところだ。
退職したら非効率こそが善なのだ。
そういう意味でこの会社はリタイヤ生活に向けてとても貴重だ。