旅の同伴者(12)

カジュラホからヴァラナシに戻って来た。今日はヴァラナシで1泊して、明日の晩夜行列車でコルカタに戻る。

Y子さんと一緒にヴァラナシに戻り、彼女は今晩の夜行列車で、デリーに行くという。

今回の旅はあまり一人旅をしている気がしない。誰かと一緒にいることが多い気がする。

しかし、よくよく考えると今までの私の放浪の旅、意外と同伴者と一緒に旅をしていたような気がする。

宿に泊まっていた日本人と、 パスポートチェックで出会った日本人と、バスの待合室で出会った日本人と、レストランで出会った日本人と、 たまたま出会った彼/彼女たちと途中の町まで、時には予定を変えて次の町まで、一緒に行くことがあったような気がする。

そう考えると、今まで世界中を一人で旅してきたように思っていたが、意外と本当に一人だった期間は、わずかな間だったかもしれない。

この傾向は中南米などの治安の悪い国で顕著だったような気がする。治安が悪いところでは、できるだけ1人旅は避けたい。同じ方向に行く人がいれば、男女問わず心強いので、できるだけ行動を共にしたい。同じ日本人なら騙されることもなく、お金を盗まれる危険性も少ないと思っての行動だったと思う。

いろいろな人と出会い、別れ、そしてまた出会う。中南米旅行では、そういうことがよく起こる。みな同じ日本人宿に集まるからだ。

旅を終えた後、彼/彼女たちと出会うことはなかった。2人の女性を除いて。

正直、もう彼/彼女たちの顔も名前も思い出せない。しかし彼/彼女たちは、私の大切な旅の思い出の一部分だ。

もしかしたら、私が誰かの旅の思い出の一部になっているかもしれない。

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