働き壱両、考え五両


「そろばん」(パン・ローリング:山崎種二)を読んだ。

あの相場の神様と言われた、ヤマタネこと山崎種二氏の半生記だ。彼の生き方は祖父から教えられた「働き壱両、考え五両」を地で行く生き方だった。

体を使って働くだけでは、一両分の報酬しか得られない。しかし頭を使って利益を生み出す考え方ができれば、その五倍は稼ぐことができるという意味だ。

回米問屋の小僧時代、彼が最初にしたことは、倉庫番も兼ねて倉庫で寝泊まりしていた時に、米を喰うネズミを捕まえて、それを現金化するということだった。当時ペストの流行から交番にネズミをもって行くと僅かな現金に換えてくれたそうだ。

ネズミが獲れなくなると、次に彼が考えたことは、ネズミを捕まえた金を使って鶏を飼うことだった。俵から落ちて捨てらる米を鶏の飼料にし、鶏の生む卵を現金化するという考え方だった。

懸命に働くことは尊いことだ。しかし何も考えずにただ愚直に働いていたのでは、決して裕福な生活は手には入らない。人より裕福に生きたければ頭を使わねばならない。

実は、このことわざには続きがあるようだ。

働き壱両 考え五両 知恵借り拾両 骨知り五十両 閃き百両 人知り三百両 歴史に学ぶ五百両 見切千両 無欲万両

あの上杉鷹山公の言葉らしい。

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