強い軍隊とは

強い軍隊は末端の兵士の判断基準を単純にさせている。「上官の命令は絶対」というように、個々の兵士の判断を否定することで、効率的な行動を実現させているのだ。

作戦本部の命令が、中間組織によって歪められたり、遅らされたりすることなく、正確にそして素早く末端の兵士に行きわたる部隊が強いのだ。

これは軍隊に限ったことではない。会社や国家にもあてはまる。

組織が効率的に動くためには現場の能力を高めなければならない。しかし同時に現場にはどんな理不尽な命令でも従わせ、自ら判断する能力や意欲を奪い取る必要がある。

犬の調教も同じだ。

犬が左に行くとすれば右に引っ張る。止まろうとすれば進ませ、進もうとすれば止める。つまり犬が自分の判断で行動しようとすることをことごとく否定する。

日本の会社組織が非効率的だと言われながらも、上手く機能しているのは、そういう労働者を企業に供給する学校教育という名の調教の賜物だろう。

強い組織にいたエリートであるはずの人が、組織を離れた途端に無能になってしまうとすれば、その人は「良き兵士であった」と言えるが、同時に「でしかなかった」ということだろう。

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