お金について考えることがある。
多くの人は朝から晩までお金のために働く。しかし、その汗水たらして得たお金を、何か汚いもの、汚れたものと思う人がいるのはなぜなのだろう。
さらにお金をたくさん持っている人は悪人だ。悪いことをして得たお金に違いないと思っている人もいる。
なぜなのだろう?
私はお金は私たちの心を映し出す鏡ではないかと思っている。
多くの人がその鏡に、自らのエゴ、強欲、執着心などの醜い部分を見てしまうがゆえに、お金に対して嫌悪感を抱くのではないか。
専業トレーダーをしていた無職時代は、毎日のようにお金を通して映し出された自分の心を見なければならなかった。もしその心が醜かったらどうだろうか?きっと相場など3日で辞めていただろう。
だから相場師は美しい心で相場をしなければならない、そうしなければ続けていくことなどできはしないからだ。
私は売買するとき、常に仏の慈悲の心で相場に臨むように心がけていた。
たとえば、高値圏で株を買いたがっている素人には「どうぞ私が株を売って差し上げますので、買いたくてうずうずしている人の心が満たされますように」という思いで売っていた。
逆に下げに下げ、信用で買っていた人たちが投げ売りしている時には「どうか私が株を買って差し上げますので、株を売りたくて仕方がない人たちの心に平安がもたらされますように」という思いで買っていたのだ。
冗談に聞こえるかもしれないが、これはとても重要なことなのだ。