仕事がはじまって1か月が過ぎた。
だんだん慣れてきたせいか、今働いている会社の現状が分かってきた。
この会社はもう先が長くないようだ。
社長はじめ、みな売り上げを上げようという意欲はなく、現状維持だけで満足しているようだ。
今の社長は亡くなった先代の奥さんで経営は素人。
社員は、工場の現場で働く定年間近のベテランと、私の2人、荷物運搬の運転手1人、パンチング・切断マシーンのプログラマー1人、事務のおばさん1人、計6人だ。
その他にスーパ・サブと言える、嘱託パート社員2人(2人ともこの会社に50年以上勤務し、今は年金をもらっている。会社に来るのは週に3日)。
このパート社員の2人、溶接・製缶の腕は一流で、他の会社で扱えない仕事が回ってくるほどだ。先代社長時代から働く、この2人が素人の社長夫人を支え、会社を運営しているようなものだ。
この2人がもう働かないと言ったら、この会社もお終いだろう。2年先か3年先か?
社長が会社を畳むまでは、ここで働き、覚えられるだけの技能を覚えようと思っている。小さい会社でけあって、いろいろできる。溶接、サンダーがけ、溶断、シャーリング(鉄板切断)、ベンダー(曲げ)、穴あけ、罫書き・・・。できれば、被覆アーク溶接と製缶の技能を身に付けたい。
ここで色々できれば、他の会社に行っても役に立つだろう。もしかしたらタイにある日本の工場で働くこともできるかもしれない。(リタイヤメント・ビザからワーキング・ビザに切り替える必要があるが)
とにかく、技能を身に付ければ、これからの私の人生にプラスに働くことは間違いないだろう。2人のパートのおじいさんを見ているとそう思えてくる。
健康でありさえすれば、老後お金に困ることはないだろう。